「幸せの黄色いリボン」(しあわせのきいろいリボン、原題:Tie a Yellow Ribbon Round the Ole Oak Tree)はアメリカ合衆国のポップスグループ、トニー・オーランド&ドーンが1973年にリリースした楽曲。
解説
ビルボード(Billboard)誌では、1973年4月21日に、週間ランキング、年間ランキング共に1位。日本のオリコン洋楽シングルチャートでは1973年6月18日付から3週連続1位を獲得した。
ドーン(トニー・オーランド&ドーン)が「幸せの黄色いリボン」を発売する前まで、シングルは6曲連続でビルボードHOT100の20位以内に入れないでいた。そのため、ドーンのメンバーだったトニー・オーランド、テルマ・ポプキンス、ジョイス・ヴィンセント・ウィルソンは、グループ解散を考えていた。プロデューサーのハンク・メドレスとデイヴ・アッペルから新曲「幸せの黄色いリボン」を聞かされたときも、最初トニーはレコーディングする気がなかった。トニーは、他のミュージシャンのジェームズ(ジミー)・ダーレン(James Darren)やボビー・ヴィントンに、「幸せの黄色いリボン」を歌うことを勧めたが、みんなから断られた。結局、ドーンが歌うことになった。
トニーは、この曲を歌うとき、「ミュージシャンのボビー・ダーリン(Bobby Darin)だったらどう歌うのか」と考えて、歌っていた。
ビルボード誌の集計では、「トニー・オーランド&ドーン」時代を含めて、ドーン最大のヒット曲となった。
歌詞には元ネタがあり、口頭伝承により内容に違いがあるが概ね以下のような話である。刑務所を出所した男が故郷に帰ろうとしていた。男は出所前に手紙を出し「もし、自分の帰りが望まれるなら、木の幹に黄色いリボンを結んでおいてほしい」と頼んでいた。男は汽車に乗って故郷の近くまで来るが、勇気がなくて、車中で知り合った男に木を見てもらう。木の幹にはたくさんの黄色いリボンが結ばれていた。
ジャーナリストで小説家のピート・ハミルは、この曲の歌詞は、上記の伝承を元に自分が1971年に執筆したコラム「Going Home」に基づいたものだとして提訴した。ハミルのコラムは、出所して妻の元へ帰る男がバスの中からオークの木に結ばれた黄色いハンカチを見るというもので、1972年にはテレビドラマになっている。被告側の調査で、ハミル以前にもこの伝承をまとめた文献があることが示され、訴訟は取り下げられた。
2021年7月12日から、女優の広瀬すずを起用した三井不動産の『BE THE CHANGE』のテレビCM「みんなで変わろう」編のCMソングとして使用・放映されている。
脚注
参考文献
- フレッド・ロビンソン著・守屋須三男監修・加藤秀樹訳『ビルボード年間トップ100ヒッツ 1956-1990』音楽之友社、1994年2月10日、ISBN 4-276-23631-2
- ドナドナ研究室・黄色いリボンの謎 https://www.worldfolksong.com/popular/tie-a-yellow-ribbon.html
関連項目
- 幸福の黄色いハンカチ - 1982年(昭和57年)、TBSで菅原文太主演で連続ドラマ化された際に主題歌としてこの曲が使われている。
- まんがはじめて面白塾 - 第2期OPテーマとしてBANANAによるカバーVer.『知らないおばけはでてこない』が使用されている。
- 四日市競輪場 - アレンジされたインストゥルメンタルが締切前BGMとして使用されている。
- 桜井一枝&井上雅雄のるんるん土曜リクエスト - オープニングテーマ曲として使用されている。
- 1973年のビルボード・ホット100による1位のシングル一覧

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